MENU

※その他のコンテンツはサイドバーのカテゴリから飛んでください



(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

RAINBOW3ものがたり(80)スクラッチ・ドッグの夜(その5)


スポンサードリンク

『Scratch Dog』の女子だそうです。右端。(jakarta100bars.comより)

 

 

 

てめえらの店でシノギをかけていた昏睡強盗を捕まえてやったというのに、どうにもやる気のないスタッフたち。

Mくんに言われてあきらかにしぶしぶ警察を呼びます。

 

十数分後、しぶしぶやって来た警察官たち。お前らもしぶしぶかい。

しぶしぶなので扱いもぞんざいです。

警察官たちに連れられて外に出ると、ホテルのエントランスに横付けされていたのは2台のピックアップトラックでした。

 

当然、僕たちは荷台に乗せられるわけです。街中でよく荷台に人を乗せてるのを見るんでこっちでは違反じゃないんでしょうね。(※調べたら違反でしたw)

で、もう1台の荷台に金髪LBが。

2台仲良く走り出します。

 

5分ほどで交差点の角にある交番のような場所にピックアップは停車し、警官たちはぞろぞろと中へ入って行ってしまいました。

すでに空は白みはじめています。

金髪LBは別に拘束などされている状態ではないので、逃げようと思えば逃げられる状態です。

 

逃げないかと思ってひやひやしながら見ていると目が合いました。

思いっきりこちらに向かって中指を立てやがります。

それを見たMくんがまた立ち上がってつかみかかろうとするのを必死に抑え込む僕とNくんです。

 

しばらくして警官たちがまたぞろぞろと出てきました。

さんざん待たされたあげく、ここがゴールではないみたいです。さらにピックアップに揺られて着いたのはルンピニ警察でした。たいした距離走ってないですね。

 

ようやく警察署の中へ通されましたが、ここでもさんざん待たされました。

まだ早朝だからか、オフィスのデスクには制服姿の警察官が1人だけふんぞり返っていました。

髪をきっちり七三に分けてメガネをかけたまだ若い男です。

何だか小ぎれいで僕たちをここまで連れて来た警官たちとはあきらかに人種が違います。もちろん僕らがふだんうろうろしているゴーゴー近辺でも、こういう人種は見たことがありません。

これが上級タイ人というやつなのでしょうか。

 

彼は30分以上金髪LBからいろいろと話を聞いていました。

ここでは金髪LBもクラブでスタッフ相手にしていたように叫んだり涙を流したりすることはせず、神妙に答えているようです。まあ、内容まではわかりませんけど。

その後、Ⅿくんが呼ばれて10分ほど警察官にいろいろ訊かれていました。

 

「なんかたいしたこと聞かれませんでした」

戻って来たⅯくんに聞いたら、取り調べは金髪LBの供述内容の確認程度だったようです。やつは正直に吐いたんですね。

「これから僕の部屋に行って現場検証みたいなことをするそうです。ゴーゴーさんたちは帰っても大丈夫そうですよ」

 

Ⅿくんがそう言うのでやっと僕たちは解放されたのです。

外に出るとすでに日は昇っていて、厳しい日差しが照り付けていました。

あーなんだったんだ、この一夜は。

 

後日聞いたところによれば、あのあと盗られたものはすべてかえって来たそうです。

ただ、金髪LBは放免されたということでした。

 

どういうことなのかさっぱりわかりません。また、それからしばらくの間『Scratch Dog』には行かなかったので、またやつがあのクラブに出入りしていたのかどうかもわかりません。

でも、あの感じだと平気で出入りしていそうですよね。

 

 

↓ぽちっとお願いします

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村