エアコンが気持ち良すぎてすっかり寝入ってしまったみたいです。
ベッドから起き出して部屋の外へ出ます。
外はバルコニーになっており、4人がけぐらいの木製のテーブルと椅子が置いてありました。床の部分はタイルになっていて、地べたに座り込んでもあまり汚れません。
ひんやりしたタイルが気持ち良くて、僕はしばらくそこに座り込んでぼーっとしていました。
みんなはどこへ行ったのでしょうか。隣のコテージには人気がないように思えます。
今いる場所は日陰ですが、日差しもさっきよりはだいぶ弱くなったように感じます。
「ゴーゴー、起きた?」
荷物をいっぱい抱えたヤムが敷地の外から帰ってきました。やはり外に出かけていたようです。相変わらず汗だくで暑苦しいです。
「どこか行ってきたの?」
「市場に買い出しに行って来た」
あとの3人も続けて帰ってきました。みんな手には荷物を持っています。
「夕食の準備をしよう」
ヤムはどこから持ってきたのか、鉄製の火鉢に炭を入れて火を起こそうとしています。
着火剤などがあるわけでもないのでなかなか火がつかないので僕も手伝います。
その間にミスレジスターたちは買ってきた料理などをたぶん部屋にあった皿に盛り替えて並べていたようです。
コンロに火がついた頃にはテーブルの上にはところせましと料理が並んでいました。
最後に火がついたコンロをテーブルの中央に置き、上に魚の形をした鉄皿をセットします。皿には30cmぐらいの魚が香草などをたっぷり盛られてどーんと寝かされていました。
よくタイ料理屋で宴会をすると出てくるやつですね。
LEOビールやバカルディクーラーなども並べており、夕食兼宴会の始まりです。
料理は蟹の茹でたやつやソムタム、シーフードの炒め物など。買ってきたものばかりなのになかなか。この魚の形のお皿とコンロもセットで借りて来たのでしょうか。
日が暮れ始めているとはいえ外はまだ暑く、コンロの火でだらだら汗を流しながらビールをぐびぐびやっていると、
「すみません、日本人の方ですか?」と声をかけられました。
見るとバックパックを担いだ学生っぽい2人組の青年が外の通路に立っていました。
2人とも背が高く、町田啓太のようなイケメンです。不思議なことにどっちも似たような顔をしています。
「そうだけど」
「この宿って空いていますかね?」
「うーん……わかんないけど、奥のほうにフロントがあるみたいだから聞いてみれば?」
しばらくして部屋にありついたらしく、荷物を置いて出て来た2人がまた僕たちの部屋の前を通りがかりました。
「ありがとうございました。部屋、空いていました!」
「どこへ行くの?」
「飯でも食べに出ようかなと」
「少し飲んで行けば? 食べ物は足りないかも知れないけど」
珍しく僕が社交的なのは、やっぱりタイ人、しかも女ばかり4人に囲まれ続けてちょっと息苦しかったからかも知れません。
イケメン日本人2人が宴会に加わりました。
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