↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
90年代の話を00年ごろに書いたものをリライトしています。当時の「大人のパーティ」に関するお話です。
新宿Kホテル、参加費4万円なりの乱交パーティ。
参加者の目印は「赤いハンカチーフ」です。
手品師じゃあるまいし、当然そんなもの持っていなかった僕ですが、 実家の母親の洋服箪笥より無事GET。
会場の新宿Kホテルへと急ぎます。
ホテルだし、ハンカチを胸ポケットにささなきゃいけないから、ジャケットなぞ着用。
気合いバリバリのよそ行きバージョンです。 七五三じゃ、ないぞ。 むろん悪徳不動産屋でもない。
はりきりすぎて、時間の30分前ぐらいに着いちゃいました。
こういうとき、普通に待ち合わせの時間に来れないのは職業病かも。
だいたい僕の中で大きいイベントである待ち合わせには、相当早く着いてしまいます。
何ごとにもルーズな性格なんですけどね。なぜかこれだけは。
待ち合わせ場所のホテルロビーは、 季節柄、結婚式の参列者とおぼしきこぎれいな格好の人たちで溢れ帰っておりました。
これから、新婚初夜のカップルも大赤面の痴態を繰り広げることができるのかと思うと、もう心臓ばくばくです。
あ、パンツの中微妙に先走ってたりして。
指定の時間を過ぎた頃、周囲を見回すと赤いハンカチを胸にさした不審な男たちがけっこう集まっております。
ざっと見回した感じで7~8人、でしょうか。
と、赤いハンカチを胸にさした一人の男性に歩み寄って声をかける40代ぐらいのちょっと強面系のダークスーツの男。
こわもて系っていっても、その筋というよりは「厳格な執事」っていう印象です。
ロビーの随所にたむろしていた「赤いハンカチの男たち」はそれを見逃しません。
なんとなく「厳格な執事」を遠巻きにします。声はかけないけど。
「パーティ参加者のかたですね?今、部屋のほうを用意しているところなんで、もう少し待っていただけますか?」
執事はそんな赤いハンカチの男たち1人1人に目ざとく近寄っては耳打ちします。もちろん僕にも。
「赤いハンカチの男たち」なんとなくむんむんして待ちます。
すると、「厳格な執事」のそばに付き添っていた若い茶髪ロン毛のおにーちゃんが、俊敏に動きます。
彼がロビーを早足で横切った先には、派手な色のスーツを着た女性が3人。
雰囲気的にはかなり高めのキャバ嬢って感じで、3人ともかなりの美形です。グラビアモデルと言われても全然納得のレベル。
おにーちゃんは知り合いに会ったように気軽に3人となにやら軽口をたたき合って、 どこかへと案内して行きました。
えっ、あんないい女と乱交できるの?
「赤いハンカチの男たち」なんだかいっそうむんむんしてきてます。(僕もね)
それをみはからったように厳格な執事が声をかけます。
「じゃあ、先に会費のほうをいただいてよろしいですか?」
先を争うように、4万を手渡す「赤いハンカチの男たち」(僕もね・笑)
ひととおり、会費を徴収し終わった「厳格な執事」は、
「じゃあ、部屋の用意が出来ましたら迎えに来ますから」 と、ホテルの奥の方へ消えていきました。
オチはもうおわかりですね? 迎えなんて来やしねえ。
思えば、あの女性たちの登場も見え透いたといえば見え透いた手口で。
30分、1時間と時は過ぎ、失意の「赤いハンカチの男たち」は1人、また1人と姿を消していきました。
「やっぱり、ダマされたんだよね」 それまでほとんど言葉を交わすことのなかった「赤いハンカチの男たち」がなんとなく集まって囁きあいます。
1人が最初に参加を申し込んだPHSにかけてみますが、出るわけがない。
急遽「被害者の会」結成です(笑)
楽しい乱交パーティが、ホテルロビーのコーヒーショップで第1回集会になってしまいました。
面子はけっこう若いです。メンバー4人全員20代ぐらいか。
僕も含め(本当)、それほど遊び慣れてなさそうな。
オーダーはみんなソフトドリンクだったし。 そういう人たちに4万円はでかいです。
「スポーツ紙かなんかに告発できないかなぁ」 なんて悔しがることしきりですが、 出来るわけないです(笑)
結局、小一時間くだをまいて、憂さをはらしたのち散会。
第2回決起総会が開かれることはありませんでしたとさ。
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