市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』(03年)の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。
本書に描かれているシチュエーションは20年前のものなので、金額などはそのあたり含みおきください
ゴゴ嬢の思考や行動も当時とはけっこう変わってきていると思います
↓ゴゴ嬢のカネへの執着と客への関心から行動パターンを読み解いたこのチャート。それぞれのパターンを解説しています。
3つめはカネも欲しいし客にも興味があるという〝短期の愛人関係〟です。
【ケース18】
ポムはナナプラザで働き始めて10か月。17歳だが色白で華奢なため、かなりのロリ系だが可愛いと日中韓の顧客から大人気だ。ポム自身も自分の価値はわかっているので2000バーツ以下(当時の相場は1500)のオファーに応じることはない。
ある日、ポムは店で若い日本人の客と出会った。マサルという大学を出たばかりの男性でアジア周遊の一か国めとしてバンコクに来てゴーゴーにハマったようだ。
マサルの両親は裕福で彼が半年から1年ぐらいは旅して暮らせるお金を与えていた。
彼がポムに出会ったのは、ナナプラザに通い始めて数日後で、マサルはポムを一目で気に入り、即ペイバーした。その日以来、マサルはポムに魅了されてしまった。ポムは彼に毎日店に来て自分をペイバーするように要求し、さらには洋服、化粧品、バッグ、靴、ついには大きなぬいぐるみまでねだって買ってもらった。
そのような毎日がしばらく続くと、ポムはマサルが他のゴゴ嬢と〝浮気〟をするのではないかと恐れるようになった。マサルは気前が良く、若くてルックスも良かったからだ。ポムはマサルに常に自分と一緒にいるように要求し、生活も共にした。マサルの側のポムへの愛情もはたでみていてなかなかのものだったという。
ポムは一日中マサルといたがったが、店の友人たちとも会いたかった。ポムが毎日出勤するので、マサルも店に行き、彼女の同僚たちに一杯おごってから二人で店を出る、というのがルーティーンとなっていた。
しかし、マサルの両親が息子がずっとバンコクに入り浸っていることに疑念を抱いたようで送金をしてくれなくなった。
マサルの手持ちの金はたちまち底をつき、それとともにポムとの仲も冷えていった。やがて日本に帰国し、新しいガールフレンドもできたらしい。ポムはその後も店で働き続け〝ジャパニーズ・キラー〟として常連の日本人客の間ではちょっと知られる存在だ。
マサルくんの親にナイス!と言いたいwww
このケースではゴゴ嬢が男性客に強い愛着を持ち、一見恋人のようにふるまっています。この愛着は恋愛感と友情、どっちつかずのもので、愛着の性質は相手の客に異性としてどれだけの魅力があるか(または逆にないか)と、どれだけ自分にカネを遣ってくれるかによって変わります。
また、付き合いが長くなると愛着が増すこともあります。カネをどれだけ引っ張るかも、ゴゴ嬢の金銭感覚や現時点でカネに困っているかどうかで変化するのです。
〝愛人的関係〟では、相手に対してどれだけ愛情があろうと、あからさまに経済的援助を要求する傾向があります。
男性からの経済的援助は現金の場合もあれば、買い物や遊び代などさまざまです。高額の現ナマを要求する場合もあり、その場合SEXは一回いくらにはならないようです。サブスクですね。ただしこの総額がSEX1回ごとに払った場合よりも高くつくこともあります。
女性の側は男性が他のゴゴ嬢と関係を持つことを禁じます。
ケーススタディの中で、わざわざ毎日男を店に来させては同僚に酒を振舞わせるのも、周囲に自分たちの関係をアピールする目的もあります。プレゼントの要求も愛情確認目的であることもあります。
男性の側からすれば、このような支出はゴゴ嬢との特別な関係を維持するための投資だといえるでしょう。この場合、男のほうが立場が弱いと、いかにもカネでつなぎ留めている感じになります。
逆にゴゴ嬢に対してベタぼれでなければ、ドライに付き合うことができます。いずれにせよ、男性が女性にカネを渋るようになったときにこの関係は終わるのです。女はカネにも執着がありますから。
このケースのような関係は前章で見た客の「カネ離れの良さと接触の多さから導かれる4つの戦略チャート」では多角化戦略に基づく行動に見えます。
↓この図ですね
詳しくはこちら↓
しかし、一見カネ払いの良い客に対する計算ずくの行動に見えても、実は相手への愛着が大きな影響を与えている場合もあったりするのです。
一見、非合理に見えるゴゴ嬢たち行動が結果的に稼ぎになっていることもあるのだと市野澤先生は言っています。
一見無差別に見えるおねだりは愛情確認?
僕は全部却下してますけどwww
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