市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』(03年)の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。
本書に描かれているシチュエーションは20年前のものなので、金額などはそのあたり含みおきください
ゴゴ嬢の思考や行動も当時とはけっこう変わってきていると思います
だいぶ間が空いてしまいました。
実は先週に引っ越しがあってバタバタしておりました。
数年前に海外に永住するつもりで、家財道具を整理したので、1人だったら大したこともないのですが、現在、実家住まいの子供部屋おじさんです。
最盛期6人が暮らしていた実家の断捨離はなかなかゴツイです。
しかも、僕の荷物も少ないつもりでいたら、30年以上前に実家に置いていった物が出てくる出てくるw
新しい「子供部屋」に入り切ってないですw
トランクルーム借りる予定。
そんなわけで『ゴー経』は、ゴゴ嬢という職業は一般のタイコミュニティの中ではかなり蔑まれる存在ですが、〝恋人〟関係なら許されるというお話でした。
では、実際そんな〝恋人関係〟とはどんな感じなのか。
ケーススタディです。
【ケース23】
アンはナナプラザでダンサーになって9か月。24歳で3歳の子持ちだが、童顔なのでもっと若く見える。英語も達者なので店ではそこそこ人気があった。
ある日、若いオーストラリア人が店を訪れた。彼はアンの同僚の客だったがその同僚は店におらず、彼はふだんお気にいりのコにしかドリンクをおごらないし、オフもしないことで知られていたので、店の女のコたちは相手にしなかった。
アンもそれを知っていたので、彼に声をかけたのはほんの気まぐれだった。すると、彼はアンにドリンクをおごってくれ、話もそこそこ盛り上がった。
アンは閉店後にディスコへ行かないかと彼を誘うと、彼はOKしたので同僚を何人か連れてディスコへ繰り出した。男は普段はサイフの紐が固いので、アンは割り勘を覚悟していたのだが、なんと全部おごるという。アンも同僚も気が大きくなり、ボトルを空けてしこたま飲んだ。
明け方になり、同僚二人は帰ったが男はまだ飲み足りないようで、アパートに来て飲まないかという。アンは素直に誘いに応じた。その日いろいろ話してみて男に好感を持ったからだ。アンが言うにはそれは恋愛感情ではないが2人でいて心地良かったらしい。もちろん男の容姿がアン好みだったことは言うまでもない。
その日からアンはときどき閉店後に男の部屋を訪れて一緒に過ごすようになった。アンは売れっ子なので週2回程度だが、部屋を訪れるときは代金は請求しない。彼を恋人だと思っているからだという。
アンは毎日は男の部屋に行けないため、彼が〝浮気〟をしていないか常に電話をかけて確かめている。自分が客と一緒にいて電話をかけられないときは、友人に頼んで電話をしてもらっている。
〝独占的愛〟(←社会学者命名)のある相手がいても、ゴゴ嬢側は必ずしも他の男との関係を断つわけではない。上記のケースでは男性には浮気を禁じておきながら、自分は客をとっているわけです。
これは、金銭的な動機で他の男性と関係を持つのはあくまで仕事で、その相手に愛情を持ってのことではない、だから浮気ではないというのが彼女らの言い分のようです。
そして自分がそうしなければならないのは、男側が経済的なサポートを怠っているから、というのです。まあ、そりゃそうだ。
このようにゴゴ嬢の頭の中では金銭的報酬を目的として複数の男性と関係を持つことと〝独占的愛〟(←社会学者命名)が論理的矛盾なく共存しているのです。
ただし、そんな理屈はフツーは通じないことをわかっている場合も多く、パートナーの前では客をとっていることを隠したがる傾向があるようです。また、不特定多数の男性と仕事で性的接触を持つことで、愛情や精神的なかかわりを大事に感じるようになることも多いといいます。
まあ、仕事ですからね。嫌だったらカネ積んで足抜けさせろっていう話で。
……ってか、こっちも他のゴーゴーの女にちょっかいを出すのはある意味仕事ってことで、どうにかならないもんでしょうかw
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