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ゴーゴーバーの経営人類学』をやさしくまなぶ (61)ゴゴ嬢を本気で惚れさすということ(後編)


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『Spanky’s』(Xより)

 

市野澤潤平氏著『ゴーゴーバーの経営人類学』(03年)の内容をときどき感想などもはさみつつ紹介しています。

本書に描かれているシチュエーションは20年前のものなので、金額などはそのあたり含みおきください

ゴゴ嬢の思考や行動も当時とはけっこう変わってきていると思います

 

 

ゴゴ嬢が自分に本気で惚れてくれる…と感じるのは幸せなことです。

たとえそれが壮大な勘違いだとしても、幸せは感じた者勝ちです。

 

その「幸せ」によって、男は自己肯定感を高め、ときにはオスとしての性的魅力にすら自信を持つことができる、と市野澤先生は説いておられます。

ただし、そうしたことで自信を得るという感覚の背景には、往々にして人種その他の偏見があるのだとも。

 

ケーススタディはそんなちょっといびつな優越感を持つ男性のお話です。

 

【ケース21】

オサムは27歳の日本人男性。一年のうち半年をタイ、半年を日本で過ごす。日本にいる間は期間工として働き、ひたすら金を貯めている。そして貯めた金を持ってバンコクへ行き、しばらくの間は気楽に過ごすのだ。

 

オサムがそうした生活を初めて4年になる。バンコクでの生活は日本での稼ぎを切り崩しているので、さほど羽振りが良いわけではない。月に4万バーツほどだ。

 

彼がバンコクにやってくる理由は女だ。彼は自分がタイ人女性(ほとんどがセックスワーカーだが)には人気があると思っている。日本よりも少ない努力と費用で仲良くできることを実感するという。

 

オサムはタイにいる間は毎晩でもいたしたいと思っているのだが、彼の懐具合ではそれは叶わない。そこで彼はいくつかの努力をしているのだが、その一つは知り合った女性を教師に見立ててタイ語を勉強することだ。彼のタイ語は今やけっこうなレベルに達していて、ゴゴ嬢らを口説きまくっている。

 

彼は日本ではモテるタイプではなかったが、バンコクでは可愛いといわれることが多い。彼はナナプラザやソイカを地道に回って、地方からやってきてバーガールになりたての10代女性を探している。彼曰く、そうした相手が一番与しやすいのだそうだ。著者はそんな彼の努力を目の当たりにして、複雑な思いになったという。

 

オサムの口説き方は相手を徹底してほめることだ。ロックオンしたらすかさず自分のアパートに連れ込んで言葉の限りほめるのだという。すでに何年も同じことを繰り返しているので、一部のバーガールの間では〝口が上手い男〟として要注意人物扱いだ。

 

オサムは女性をほめるが、サイフの口はとても堅い。ゆえにたいていのバーガールとは長続きしない。しかし、オサムにとってそれは好都合なのだ。トラブルなく次の女に乗り換えられるからである。

 

オサムによれば、バーガールに多少のカネをやったところで、他の客と寝るのを止めることはできないから、徹底してカネは払わないのだという。そして他の男性からはカネを取る女が自分だけを特別に扱ってくれるのなら、それはとても気分がいいと言う。だから、オサムは自分のお気にのコが他の男にオフされていくところを見ると、かえって誇らしくなるとさえ言うのだった。

 

 

ゴゴ嬢は、一見損得抜きでつき合っているように感じても、まったくカネを出さない男と付き合うことはなかなかありません。

たとえタイ麵にカネを出さない男がゴロゴロしているからといって、カネを出さない日本人なんてゴゴ嬢にとってはありえませんし、おっさんの場合は言語道断です。

 

しかし、たとえ「金の切れ目が縁の切れ目」たったとしても、男性客が〝特別感〟を感じるハードルはもっと低いところにあるようです。上記のケースでもゴゴ嬢側が惚れている、というよりは、ほぼ騙されている状況ではありますが、とりあえず男性側は満足しているようです。

 

 

まあ、このケースは男性側にかなり「病み」を感じますので、特殊すぎるケースに思えます。でも、ここまで酷くはなくても、ゴゴ嬢側からしてみれば、似たり寄ったりな部分はあるのかも知れませんね。

 

 

 

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