12年は『Baccara』絶頂の年となりました。年末にはペイバーだけでなんと2000B取っていたそうですが、それでもお客は押し寄せます。
ゴゴ嬢へのチップもショート3000B、ロングともなれば6000Bと吹っ掛けてくるやつもいたそうです(当時はショートで1500Bが相場)。「バカラ価格」なるものがまかり通っていたようです。
13年には『Sheba's』が閉店して『LIGHT HOUSE』がオープンしました。『Sheba's』の女のコやスタッフは『Cowboy two』に流れたようです。ちなみに『LIGHT HOUSE』は『Shark』の姉妹店でした。当初は『Shark』嬢が応援に駆り出されて開店に花を添えました。
『Shark』に続く存在として期待された『LIGHT HOUSE』でしたが、調子が良かったのは最初だけで、結局『Shark』嬢頼みの状況から脱却することができずに失速して行きました。
同じく13年にソイ・カウボーイの外になってしまいますが、ソイ23にオープンしたのが『Crazy House』。開店当初は1階がコヨーテ、1階はシースルーのコスチュームを着たゴゴ嬢がいるスペースでした。その後、エロサービスが売りの文字通りCRAZYな店としてソイカの人気店となっていきます。この当時は稼げなくなったナナから流れて来たゴゴ嬢たちが多数在籍していたようです。
元ナナ嬢が抜けたあとは女のコのクオリティは微妙な感じになりましたが、ノリの良さだけは健在です。
従来の店ではこの時期『Shark』の勢いがちょっとありません。在籍嬢が『LIGHT HOUSE』へ応援に駆り出されたりしていたことも一因かも知れません。
一方でわりと人気があったのが『Suziewong』と『Cowboy two』です。
『Suziewong』は以前から露出の高さに定評がありました。Gダイはかなり推しており、コラムにもたびたび取り上げられています。15年頃には警察の手入れがあって数日閉店することもあったようですが、押しも押されもしない人気店になりました。
『Cowboy two』はコヨーテが人気だったのと、『Sheba's』から流れて来た嬢で一時ゴゴ嬢が増えたためというのもあると思われます。
ファラン人気では『Doll House』あたりも。この時期『Tilac』は元気がありません。
ナナプラザといえば、LBが有名なように、ソイカといえばコヨーテと言うほどコヨーテはソイカの名物と言ってもいい存在になりました。
もともとソイカの店は店前に喫煙スペースとして作られたオープンバーがあるため、客引き嬢が大挙して待機することが可能な構造になっていました。これはナナプラザやパッポンにはない特徴です。
それゆえに、どこのゴーゴー街よりも客引きの女のコがたくさんおり、その中にはコヨーテもいるため華やかな雰囲気で訪れる人々を魅了したのです。
コヨーテが売りのいわゆる〝系列店連合〟『Spice Girls』や『Deja-bu』などでさえ、金払いさえ気にしなければ楽しめるので、そういうお客のニーズもあったようです。
それでも絶対的ナンバーワンの『Baccara』は非コヨーテ店なんですけどね。
ベトナム時代の残り香漂う〝終わった〟街だったソイカはバンコク一と言われるゴーゴー街となりました。しかし、その栄華は長くは続きませんでした。00年代後半から徐々に成長してきたパタヤの人気が出始めており、少しずつお客も女のコもそちらへ流れ始めていたのです。13年の夏には明らかに日本人客はパタヤのほうが多かった、とコラムには書かれています。
10年代後半には流れは完全にパタヤへと移っていくのです。
(終わり)
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