R3でウェイトレスのゴイちゃんのバースデーパーティ。
最初、ヤムとさしで飲んでいたのが、ゴイちゃんが加わり、ビッグ・ファット・ママとミス・レジスターも加わってちょっと大げさな感じになってきました。
ママとチーママがいるテーブルは僕が従業員だったら敷居が高くて面倒くさそうな感じで近寄りがたいのですが、ここの従業員から見ると格好の獲物に見えるみたいです。
ママと乾杯しているのを見た知らないウェイトレスが入れ替わり立ち代わりやってきて〝乾杯〟をねだります。そのたびに僕は彼女たちのドリンクを注文して乾杯させられるのです。まあ、お祝い事ですからね。
ウェイトレスだけでなく、カウンターの中のバーテンダー全員、DJ、入口のおっさんまでやって来て乾杯しました。たまにゴゴ嬢も来ます。彼女たちにドリンクを奢ると、こいつはホテルに行く気がない、と見切りをつけるまでは隣に座ってくれるので、常に両手に花状態ではあります。タッチはし放題なのでなかなか気分いいです。
(でも、これ、明らかに調子に乗りすぎだよなあ…)
さすがにいやな予感がしてきたので、ヤムにいったんお会計を頼みます。
かなり分厚くなった伝票の束をヤムがミス・レジスターに渡すと彼女はキャッシャーに戻って電卓をたたき始めました。2回計算してなぜかかぶりを振っています。
彼女は1枚の小さな紙切れに金額を書くとヤムに渡しました。
ヤムは紙切れを見て一瞬目を丸くしていましたが、ニヤニヤしながら僕のところへ来て紙切れを見せます。
5500バーツ。
あるていど予想はしていましたが、なかなかの数字です。これまでゴーゴーで遣ったお金としては(ペイバー代、チップ除く)最高額ではないでしょうか。
当時はまだビール1本100バーツちょっとぐらいの値段です。これまでゴーゴーではけっこう遣ったなと思うレベルで2000バーツ台、たしか勝手にタイウイスキーのボトルを入れられてボッタくられたと思ったときでさえ3600とか、そんな数字だったので、まあまあ衝撃的な数字でした。
周りのゴゴ嬢やスタッフたちも(やっちまったな)という目で僕を見ています。
心なしかそれ以降はみなさんちょっと優しくなりました。
いつの間にかナッツやスナック類などのおつまみが盛られた皿がテーブルに出されているし、他のスタッフたちもフリードリンクコーナーから自分の飲み物を持ってくるようになりました。ヤムに至っては僕のぶんのビールまで、そこから注いでくる始末です。
ビッグ・ファット・ママは「店のおごりだ」と言ってハイネケンを1本持ってくるし。
こういうシチュエーションだとサーッと従業員たちが引き潮のようにいつのまにかいなくなるパターンか、知らん顔してガンガン注文し続けるかのどちらかのパターンだとおもうんですけど、こういうのは初めてです。
僕はといえば、けっこう酔っ払ってきているのですが、そこまで優しくされては飲まないわけにも行かず、ただひたすら飲んでだんだんわけがわからなくなってきました。
トレイにいっぱいのテキーラのショットが出てきたことは覚えています。
ゴイちゃんとフロアで一緒に踊ったのもなんとなく。
しかし、そこから先は……。
(続く)
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