お昼どきからはけっこう外れた時間でしたが、富士レストランの前には人だかりができていて、僕たち(僕とオーちゃんとミスレジスター)はしばらく待たされました。
待っているうちにヤムとノイがやって来ました。
彼らがマーブンクロンで何時に待ち合わせていたのかは知りません。
でも、たぶんミス・レジスターが来た時刻が定刻に近い時間で、こいつらはたぶん遅刻なんだと思います。しかしまったく悪びれた様子はありません。
(タイ人との待ち合わせって、やっぱりこんな感じなんだな)
これまで僕は、タイ人との待ち合わせといえば歴代お気にのファーとシャーデーぐらいです。でも、二人ともそんなに大幅に待ち合わせの時刻に遅れて来たことはありませんでした。
ちなみにこの時点で僕がナナホテルのロビーで待ち合わせた時間から1時間半ほど経過しています。
富士レストランはファミレスっぽい感じの店でした。
でも、きっとこういう感じってタイだと高級店なんだろうなあ。メニューを見たら値段もなかなかいい値段です。
すごいのはメニューの内容がファミレスと定食屋と居酒屋を足したようなラインナップで、高級和食ではないけどおそらく異国にいたら恋しくなるであろう和食を全部集めたような内容だったことです。
すし、刺身、てんぷらはもちろん、ラーメン、カレー、焼き魚、とんかつ、焼きそばやたこ焼き、ギョーザまであります。でも、すしと刺身の1人前のセットみたいなのが400Bとかなのでまあまあお高い。
それにかぶと煮が鮭の頭だったり、〝たたき〟と称するメニューがまぐろやサーモンを細切りにしたものをサラダっぽく和えたものだったりして(たぶん鯵のたたきにインスパイアされたものと思われ)、オーナー絶対日本人じゃねえなと思わせる部分はあります。
でも、こういう店、嫌いじゃないかも。それに、ちゃんとした和食屋より、こういう人たちを連れてくるのにはいいかも知れません。
僕はとりあえずハイネケンの大瓶とうなぎの巻き物を注文しました。だって、このメニューのラインナップは飲めって言っているよね。
みんなもそれぞれ食べ物と飲み物を頼んだようですが、運ばれてきた飲み物を見ると酒は僕だけであとのみんなはソフトドリンクかお茶、ヤムとノイおばさんに至っては小娘が注文しそうなカラフルなスムージーだかシェーク的なものを頼んでいます。裏切りものめ。
そのとき、ミス・レジスターの携帯が鳴りました。ミス・レジスターは電話の向こうの相手に向かってけっこうな形相で何かをまくしたてています。…でも、たぶん怒っているわけじゃないんでしょう。おばさんってわりとフツーのテンションで話してこんな感じなんです。
どうやら彼女は電話の相手に、ここの場所を指示しているようでした。
数分後、店にあらわれたのはなんとセクシーちゃんでした。おばさんとかトムボーイとかばかりだから(オーちゃんはいちおう乙女ですが)、気を利かせて呼んでくれたようです。
スタッフのみんなよりもさらに遅刻なのはゴゴ嬢の貫禄でしょうか。
ところでセクシーちゃん、店での色っぽい姿とは打って変わって今日は上下白のスウェット姿です。もしかして…それ、寝巻?
いやいや、たぶんお洒落なんでしょう。うん、お洒落だと思いたい。
ミス・レジスターが気を利かせてセクシーちゃんを僕の隣に座らせます。
さて、お食事会です。
(続く)
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