昨夜はおそらく早い時間に寝ているので目覚めはわりとスッキリだったんですが、気分はどよ~んと落ち込んでいました。
昨夜もまたやらかしてしまったからです。
ホテルへ連れて帰るとナンと約束をしたのにもかかわらず、酔いつぶれていつの間にかホテルの部屋で一人寝ていたのです。
どうやって帰って来たのか、店では一緒だったナンはどうしたのか、さっぱり覚えていません。でも…昨日あれだけ怒ってて、ホテルに連れて帰るって言って何とか機嫌直してもらったんだもんなあ。2回目のぶっちぎりでどれだけ怒っているやら。
ナンと顔を合わせることを考えただけでも憂鬱です。
しかも、そんな日に限って夕方からR3へ行かなければならないんです。
今日は毎年恒例のゴイちゃんのバースデーで「夕ご飯ご馳走するから夕方においで」と、ビッグファットママに誘われているのでした。
昼間をずっと鬱な気分で過ごし、夕方6時にR3へ行きました。
もちろん開店はしていません。スタッフも数人といった程度です。
しかし、なんでゴイちゃんの誕生日だけ盛大にやるんだろう。
彼女、ただのヒラのウェイトレスだしとくにベテランってわけでもなさそうなんだけど。まあ、僕は年に3回しか来ないのでわかりませんが他のウェイトレスの誕生会はやっていないような気がします。
たしかにけっこうデカい顔はしていますし、ムードメーカー的なところもあるし。
店の前の廊下には長いテーブルが置かれて大皿に盛られた料理が並んでいました。
大きな焼き魚、生野菜とそうめんを短く切ったような麺、豚らしき内臓の煮込み、ヤムウンセンなどけっこう豪華です。お店で買って来たのでしょうか。
「いらっしゃい。好きに食べていていいわよ」
ビッグファットママはハイネケンを1本持ってきて僕に渡し、それだけ言うと奥へ引っ込んでしまいました。
食べろって言われてもなあ。まだ誰も手をつけていないみたいだし。
どう取っていいものかわからずにぼんやり立っていると、まだ私服姿のおばさんがやってきました。
「これはねえ、こうするの」
おばさんは生野菜の葉っぱを一枚取ると、それにほぐした焼き魚、そうめんみたいな麺を乗せてたれのようなものをかけ、くるくると巻いて手渡してくれました。
うん、あまり辛くなくて美味しいです。甘くて酸っぱいたれの味がなんとも。
おばさんは次々に葉っぱを巻いてくれて僕は端から食べるというわんこそば状態。
でも、おばちゃん指先をぬらぬらさせて葉っぱを巻き続けているので、友達のお母さんが作ったおにぎりがダメな人は無理なやつかも知れません。
僕はタイ飯は大好きってわけじゃないけど、今日に限っては富士レストランよりいいなあ。まあ、富士レストランでは残飯しか食べていないし。
見ればいつのまにかスタッフたちもテーブルを取り囲んで料理にありついています。
ゴゴ嬢も早いコはちらほら出勤し始めて、テーブルにやって来ては食べ物をかすめていきます。
僕はもうすっかりお腹いっぱいでした。ビールもロクに飲んでいないのに。
ゴイの姿は見えません。ナンもまだ来ていないようです。
まだ何人か食べていましたが、テーブルを入口の邪魔にならない場所へ移動します。
店内の明かりが消え、ステージのピンク色のライトが点いて営業が始まりました。
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