↑のゴーゴーバー画像は本文とはまったく関係ありません。
00年代の「大人のパーティ」に関するお話です。
ライターさんの取材をアテンドして数日後。
知り合いから記事のゲラが届きました。
写真は僕とライターさんが待ち合わせた喫茶店でのものが1枚のみ。あとはすべてテキストで、個人や場所を特定もしくは連想せるような記述は一切ありません。
まったく問題はないでしょう。
さっそく僕はFAXでアンザイさんに教えられた番号に送ります。
この番号、自宅なのかそれとも関係先なのかはさっぱりわかりません。
すぐにアンザイさんから電話が。
「OKでーす。これでいいよ~」
やはり問題ないとのことでした。心なしかアンザイさん、今回のこの話に前のめりに感じます。宣伝にはならないのでアンザイさんやパーティにはまったくメリットはないはずなのですが。
僕はアンザイさんがOKした旨を知り合いの編集者に連絡し、この件は終了。
……のはずでした。
肩の荷が下りてすっかり安心し、大酒&高鼾で寝ていた僕は深夜に電話でたたき起こされたのです。
「………………はい?」
「あのさぁ」
声の主はアンザイさんでした。
時計を見ると夜中の3時を回っています。なんなんだこんな時間に。
「ちょっと思ったんだけどさ、この写真あるじゃない? 喫茶店でライターさんとあんたがうつっているやつ」
「はい。それが何か?」
「これ、ホテルのすぐ近くの×××(店名)だよね? この写真だとパーティをやったホテルの場所もわかっちゃうんじゃないの?」
「いや、そもそも×××だなんて分からないでしょ?」
「テーブルの天板の柄で分かるんだよっ!」
不意にブチ切れるアンザイさん。一気に眠気が吹っ飛びました。
「これだとホテルがバレちゃうじゃん! すぐに写真を修正させて。そうじゃないと記事の掲載は認めないから!」
すでに一度OKしているので記事は校了して印刷に回っているはず。
修正はもちろん無理だし、掲載を認めないなんて言われてももっと無理です。
ここは何としても言いくるめるしかありません。まあそれも難しいんですが。
「そもそも×××ってチェーン店ですし、それでホテルは特定できないでしょ?」
「×××って分かりゃ見るやつが見ればどこの店かなんてすぐに分かるんだよ!」
「万が一そうだとしても、もうおOKしちゃったから修正は無理なんですって」
「あんたはうちのパーティがどうにかなったら責任取ってくれんのか?」
(どうしてこの人はこんな無理難題を吹っ掛けてくるんだろう)
僕は受話器から聞こえてくる怒声をぼんやりと聞き流しながら、ふとそんなことを考えていました。
(もしかしたらこれって編集部や僕からお金を巻き上げようとしているんだろうか? アンザイさんってやっぱりおっかない人だったんだなあ……)
「いいかっ!このままタダで済むと思うなよっ!」
後半は僕はすっかりサンドバック状態だったため怒り疲れたのか、1時間以上怒鳴ったあげくにこんなコワイ捨てゼリフを吐いてアンザイさんは電話を切りました。
もう空は白み始めていましたが、その後僕ははもちろん一睡も出来ませんでした。
(いったい、どうすればいいんだろう……)
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